フランス革命という鏡 十九世紀ドイツ歴史主義の時代/熊谷英人【3000円以上送料無料】
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総合評価
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フランス革命によって既成秩序が崩壊し、世界への認識そのもの、規範そのものが相対化され、その廃墟から〈歴史学〉が立ち上がってきたというわけである。
この「歴史主義」的転換が徹底的に遂行されたのがドイツだったことは今日よく知られている。
反面、その揺籃となったのがフランス革命史研究だったことはほとんど知られていないのではないか。
ドイツでは革命当初から革命史研究に高い関心が注がれる。
本国フランスの主要著作は一八四八年の三月革命までほぼドイツ語で読むことができたという。
そしてそこで問題になったのは、歴史主義の中核をなす「史料批判」であり、「不偏不党」だった。
他方、ドイツ知識人にとって、フランス革命とは昨日の、すでに終わった事件ではなかった。
革命史は、ありうるかもしれない未来を映し出す鏡にほかならなかったのである。
本書は、三月前期自由派知識人の革命史研究に光を当てることで、この〈転換〉の全容を解明する試みである。
それはナポレオン戦争からドイツ帝国建国に至るドイツ精神史遍歴の旅にひとしいものとなろう。
気鋭の若手による新たな語り!※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
目次序/1 フランス革命史論の誕生(一七八九〜一八三〇)(フランス革命とドイツ/復旧期の革命恐怖—アンシヨンとヘーゲル ほか)/2 ダールマンと「憲法」(一八三〇〜一八三九)(ふたつの革命/「改革」の担い手たち ほか)/3 ドロイゼンと「国民」(一八四〇〜一八四八)(「世界史」におけるフランス革命/「解放」か、「専制」か ほか)/4 ジーベルと「社会問題」(一八四九〜一八七二)(フランス革命と三月革命のはざまで/「社会革命」としてのフランス革命 ほか)/結 「虹」のかなたへ
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