バザールカフェ ばらばらだけど共に生きる場をつくる / 狭間明日実 【本】
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総合評価
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ヴォーリズ建築の古い洋館をリノベーションした“ふつうの”カフェであるが、運営を担うのは日本基督教団京都教区とアーティスト、市民運動家、大学教員、宣教師、牧師などだ。
バザールカフェでは、マイノリティと総称される、セクシュアリティ、依存症、ひきこもり、出所歴、HIV陽性、国籍など、異なった現実で孤独に生きている人々がありのままで共に過ごしている。
こうした人々を雇用したり、牧師や芸術家、学生や近隣の住民や子どもも出入り(ブレンディング・コミュニティ)したりし、居場所を提供する実践を重ねている。
いわばコミュニティカフェとソーシャルワークが交差し、歴史ある建築や自然豊かな庭などの場の特性を活かしながら市場的コミュニティが成り立っている稀有な拠点なのだ。
何も知らないまま偶然出会い、だれもが自己の存在価値に気付くことのできる場であり、マイノリティ同士だけでかたまった居場所や当事者・支援者・家族だけで完結する従来の支援のかたちを覆す場でもある。
本書は、当事者だけでなく支援者もすべての人が受け入れられ、共に学ぶ場として多様性を尊重する社会空間となっているバザールカフェの25年にわたる実践を伝えることを目的としている。
こんな場所が社会の中に必要なのだという認識から、誰かにとって「生きててもいい」と思える場所が広がっていくことを目指している。
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