2015年7月29日発売
ボリス・ピゴヴァート:レクイエム「ホロコースト」/夜明けの詩
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総合評価
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彼は1995年にイスラエルに移住し、この地の市民権を得ています。
数多くの特色ある作品を生み出し、中でもいくつかの吹奏楽作品は日本でも知られています。
このアルバムに収録されたレクイエム「ホロコースト」は、最初、語り手、ソリスト、合唱、オーケストラという“標準的”な編成の作品として構想されましたが、テキストを使うことで却って音楽の力を損なうことになるのでは…と危惧した彼、結局、人の声を一切排し、オーケストラとソロ・ヴィオラ(人の声に最も近い響き)を用いるのみの作品として書き直したのです。
4つの部分にはそれぞれ伝統的なレクイエムのテキストが付されていますが、これが曲の感情を余すことなく表現しています。
「永遠の安息を」では深い悲しみ、恐怖と怒りに満ちた「怒りの日」…というように。
しかし「涙の日」には例えようのない恐怖と怒りが漂っているのは、多くの涙の中に犠牲者たちの悲鳴が含まれているからだということです。
とは言え、「永遠の光」の最後に見られる澄んだ美しさこそ、ピゴヴァートが描きたかったものなのではないでしょうか?2010年の「夜明けの詩」は意図的にロマンチックなスタイルに回帰することで、聴き手の感情を揺り動かしています。
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